そもそも読解力って何?
ひと言で「読解力」と言っても、実はその能力は二種類あるんだ。
○速読して文章の大意を読み取る力
○精読して難解な文章を理解する力
この二つが、まるで別のものであることは、きっとすぐに分かると思う。
普段から読書が好きで、国語も大好き!って人は、割と両方を持っていることが多いと思うよ。だから混同されがちなんだけど、そもそも国語があまり得意じゃないって人が力をつけていこうとするのなら、きちんと分けて把握しておいた方が効果的に勉強できるね。
まず、「速読して文章の大意を読み取る力」だけれど、これは特に最近の共通テストなんかでは重要視されてきている能力。時間との勝負である入試の中で、速く正確に読み取る力はとても重要だよね。共通テストの選択問題も、細かくキズを探す消去法ではなく、大意を読み取れてるかどうかを問うものが増えてきているから気をつけないといけないよ。
次に、「難解な文章を理解する力」。速く読もうとする時は、ある程度細部については流し読みをしてしまうけれど、文章の難度によってはそれだけでは読み取れない箇所があったりもする。そういう箇所こそ、作問者は問題を作りやすいんだ。むしろ作問者にとっては、簡単すぎる文章から問題を作る方がよほど難しかったりするからね。難解といっても、語彙が難しかったり、背景知識が必要だったり、センテンスとセンテンスの間に補わなければ読めない飛躍があったり、パターンは色々あるよ。
まずは、速読して文章の大意を読み取る力を身につける方法から。
○時間を計って読む
○背景知識を活用する
○トゲに敏感になる
そもそも、文章が難解であるってどういうことか分かるかな?
文章を書く時、筆者は当然、読者のことを意識しているよね。文章を書くというのは、コミュニケーションなんだから、相手のことを考えるというのは当たり前のこと。逆に言うと、筆者は自分の想定している読者に内容が伝わりさえすれば良いんだよ。だから、書かなくても読み取ってもらえると思った内容についてはどんどんカットもしてしまう。つまり、文章を難解に感じるということは、筆者の想定する読者としてのリテラシーに、解答者が追いついていない、ということになるね。
(ちなみに、大学入試の問題は、基本的には「新書」よりも難度の高い本から出題されることが多いよ。そういう意味では、大学生レベル以上を読者と想定していると考えた方が良いね。ただ、逆に、あまりに専門的な文章は出ないんだ。加減が難しいところではあるね。)
では、そういった難解な文章を読むためにはどうすれば良いかというと、次の三点が大事。
○タテ(具体と抽象)
○ピント(大意とセンテンス)
これらについては長くなるから、別の記事にきちんとまとめるようにするね。
ざっくりとだけ押さえておくと、
まずは「ヨコ」として、二項対立は最重要。何と何を対比しているのかを掴む、ということだね。文章全体として二項対立を作ってくれている筆者は多いけど、文章によっては、小さな二項対立がいくつもあったりする。それらをきちんと解きほぐしていくことが、難しい文章を読み解く鍵なんだ。
次に「タテ」として、具体と抽象も大事。文中で具体例を挙げてくれる文章は多いし、作問者としてもそういう文章は問題が作りやすいんだけれど、挙げられているだけじゃ足りないこともある。特に、みんなが「分かりにくい」と思うようなセンテンスは抽象の部分にあることが多いから、自分なりに具体例を補って解釈していく必要があるね。また、逆に、具体例は述べられているのに、「何のための例なのかが分からない」なんてこともあるよ。そういった場合は、自分で抽象化して、筆者がその具体例を挙げた理由を突き止めないといけなくなる。
最後に、「ピント」として、大意とセンテンス。これは本当に、一番難しい部類の文章に立ち向かう時に必要なテクニックだよ。センテンス毎に読んでいて、どうしても読解が進まない場合、「センテンスの解釈を積み上げて大意を掴む」という手順を逆転させて、「仮定した大意から逆算してセンテンスを解読する」ことが必要になるんだ。やってることがほとんど暗号の解読みたいになるし、すごく頭を使うからしんどい作業になるね。「ヨコ」「タテ」に比べると必要になる機会は格段に少ないから、これは後回しにしてもOK。そんなテクニックもある、ということだけ頭に入れておいてね。

でも、どっちもしっかり頭を使わないといけないから大変だ。
きちんと理解した上で、トレーニングを重ねていかないといけないなぁ。
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